
ちゃっちゃとカンボジア入国。それからトラックタクシーに乗り換え、近くの町シソホンへ。このトラックタクシーがこれまた窮屈。
車内に七人、荷台には乗れるだけ人を乗せている。BOBは車内に乗ったのだが、も〜きつきつ。なんとかシソホンにたどり着く。
ピボルに別れを告げ、ホテルでも探そうかと思っていると、ピボルが友達の家へ一緒に来ないかと誘ってくれた。ホテルを探す手間が
省ける上に、現地人の家に泊まれるなんて、こりゃラッキーってことで、即快諾。2人で友達の家に向かう。 到着してビックリ。
思いっきりオール木製の高床式住居やった。ほとんど歴史の教科書の弥生時代級の建物である。今日はそこに泊めてもらえるそうだ。
イェ〜イ。中に入ると、老婦人と若者の二人暮し。疲れたでしょうし、お風呂でもどうぞってことになって、これまたビックリ。風呂と
言いながら、家の前の井戸で瓶に水汲んで水浴びしちゃいました。湯船を期待した自分が浅はかでした。がはは。 で、夕食タイム。老婦人
お手製のおかずが五品にご飯。家庭料理に舌鼓を打つ。で、その家の若者(ブンルーン)と話をしてみる。ここでかなりビックリ。
なんでもポルポト派の one star 階級ののソルジャーだなどと言っている。確かに体中傷だらけで、左手の親指がない。聞くと爆弾で吹き飛ばされた
そうな。ん〜ん、本物や。まさかカンボジアに来たからって、ポルポト派の兵士の家に泊まることになるとは、 、 、 、 、 、 、
エエ経験や。 しかしピボルといいブンルーンといい、英語がうまい。聞いてみると、ピボルは英語の他にタイ語、中国語、すこしだけ日本語
まで話せるそうな。ブンルーンもフランス語とドイツ語が出来るらしく、ドイツ語で書かれたシアヌーク殿下の本を読んでいた。すごい奴らだ。
事あるごとに、なぜおまえは6年も英語を勉強してたのに、ほとんど話せないのか?と聞いてくる。まったくもってそのとおりだが、
日本の中高で英語の授業受けてただけでは話せるようにはならない、といくら言っても?顔をしていた。ま、おかしいといえばおかしな話ではあるね。
BOBは勇気をもって、ブンルーンにポルポトの話を振ってみた。するとここでまたまたビックリ。ポルポトは北朝鮮で生きてるといって聞かない。
いくらTVや新聞に死亡のニュースが報道されてたといっても、そりゃうそだといって聞かない。まじでそう信じている。おもしろいものだ。
話しつかれて、夜は爆睡。
8月2日(日)
6時頃起床。軽く水浴びをして出発。ここで重大なことに気づく.......泊めてもらった家の写真を撮り忘れていた。
とても貴重な体験だったにもかかわらず、写真に残せなかったことが悔やみきれない。 それはさておき、ブンルーンのHONDA
DREAMV(簡単にいうとカブ)に三人乗りして、トラックタクシー乗り場へ。途中2人に朝食をご馳走になる。お礼と言っては
なんだが、記念になるよう日本の硬貨をプレゼントした。 トラックタクシー乗り場に着き、ビボルが先にプノンペン方面行きのトラックに
乗り、出発。その後、ブンルーンがシェムリアプ行きのトラックを見つけてくれ、私はそれに乗り込んだ。くれぐれも気をつけろと言って
見送ってくれた。ん〜ん、すばらしいカンボジア人コンビだった。 シェムリアプまでの道中は路面状況最悪。雨季のため、そこらじゅうが
ぬかるみ。しかもでこぼこ。寝れたものではない。たまたま隣の席の人がカタコトだが英語が話せたので、退屈しのぎになる。しかも
ガムくれたり、ジュースおごってくれたり、どうやらカンボジアは観光客に優しい国のようだ。 どうにかこうにかシェムリアプ到着。
変なバイクタクシーのおっちゃんの客引きトークに負け、日本人の多そうな宿に連れて行ってもらった。今回BOBは、ガイドブックとして
旅行人ノートなるものを使っている。詳しい情報が多く、僻地を旅するには便利なのだが、いまいち観光名所の解説文が貧弱。アンコールワット
に関する知識ゼロのBOBは、観光ガイドとして地球の歩き方を読みたかったので、日本人の多そうな宿を選んだ。で、宿到着。予想を
はるかに超えて日本人多し。ま、ええわ。 宿の日本人に歩き方を見せてもらい、その後は大好きなマーケット散策へで出かける。さすがに観光客目当てのみやげ物やは
ぼってくるが、食事関係は安く、結構ええ感じ。Tシャツやビールを土産に買い、宿に戻る。戻ったはいいが、宿の日本人はハッパばっかり
吸っていて、タバコすら吸わないBOB的にはくだらなかったので、さっさと寝た。
8月3日(月)
今日は朝から大出費。リコンファームのためプノンペンへ電話で12$。プノンペン行きスピードボートのチケット買って25$。
アンコールワットの入場料で20$。ま、どれも避けられない出費なのであきらめる。バイクタクシーを一日5$で契約して、いざアンコールへ。
勉強不足のため、どこを見て周るべきか分からず、その辺はプロのバイタクのおっさんに任せる。まず連れてこられたところが、バイヨン。
よくアンコールと言えばこれ、って感じて知られている顔だらけのあれである。正確には、この遺跡はアンコールトムという遺跡の一部であり、
アンコールワットではないのだ。ご注意あれ。(私は知らなかったのだ。がはははは) ん〜ん、ずばり顔だらけ。顔、顔、顔、顔、顔の連発。
しかもその一個一個のでかさが半端でない。ふぇ〜、って言いながら感動してるとき、私はビックリするものをみた。 なんと、横に
日本人おっちゃん・おばちゃんのツアーがいたのだ。総選挙の直後ってことで、こっちはかなり気合を入れてカンボジアに来たのだが、
まさかこんな政情不安定な時期に、ツアー旅行が実施されてるとは思わなかった。そのおっちゃん・おばちゃんたちはこの国の政情を
理解した上で、覚悟を決めてきたのだろうか?それとも知らぬが仏ってやつなのか?まぁツアーの客が来てるくらいだし、別に危険じゃ
ないんだろうなぁって、妙に安心してしまった。 続いてアンコールワットへ。この寺は、真中に塔をいただく建物を回廊が囲んでいる
感じの作りになっている。で、先に回廊を回る。
南半分を見終わったところで、最大のピンチ到来!おもおしたのだ。もちろん周りに
トイレなんて無い。しかし、でそうなものは止められない。そこでBOBは、意を決して野グソにトライした。神聖な太古の寺の境内で、
なんて罰当たりなことかは分かっていたが、自然の摂理には逆らえない。神も許してくれるだろうって勝手に解釈。草むらに駆け込む。
。 。 。 。 。 。 。 。  終了。しかし、尻でも拭くかと思った瞬間、警備のおっさんが私に気づき咳払い。きちんと拭けたかどうか
確認するまもなく逃げ出す。その後、内部の塔の最上階に登り、ご本尊らしき仏像に手を合わす。、反省の意味をこめて賽銭ははずんどいた。
夕方までその他の小さな遺跡も見て周ったが、バイヨンとアンコールワットの二つがやはりずば抜けて感動的だった。一通りアンコールを
満喫(満足するには1日ではとても足りない)したので、シェムリアプの町へ戻る。 マーケットの屋台でジュースを頼む。
店員は、注文が来てから急いで氷を買いに行っていた。なんとものんびりした国である。
8月4日(火)
今日はプノンペンへ向かう日。5時半起床で船着場へ。船着場近辺は結構興味深い。水上生活者がたくさんいる。みんな小船で移動している。
ほのぼのした風景だ。が、のんびりしてるまもなくスピードボートに乗る。ここトレンサップ湖(かなりデカイ)から川を下ってプノンペンへ。
噂では、お金をケチってスピードボートではなくスローボートに乗ると、途中で盗賊に襲われるらしい。この噂のおかげで、思わず
スピードボートを選んでしまった根性なしのBOBであった。 昼頃プノンペン着。”プノンペンといえばキャピトール”ってのを
カンボジア旅行した人なら聞いたことがあるだろう。私も例にもれずキャピトールなる宿にチェックイン。チェックインの時に、宿の
オヤジにビザを見せると”こりゃ空路入国ようやで。ベトナム大使館行ってかきなおしてもらわな”
、 、 、 、 、 、 、 、ガク。
さんざん陸路入国でとお願いし、ビザ受け取り時に私も空路ビザに思ったので何度も陸路入国ビザであるかどうかを確認したビザにも関わらず、
思ったとおり、私の持っているのは空路入国用ビザだった。H○Sなんかに信用してビザを頼んだ自分が悔しい。 気を取り直して
ベトナム大使館へ。ありゃりゃ、昼休み。 そこでキリングフィールドへ向かう。ここはポルポト政権時代に大量虐殺が行われた場所である。
到着。中へ入る。はっきりいって、怖がりの人はここへは行かない方がいいだろう。記念塔の中に、すごい数の人骨が積み上げられている。
この恐怖感は筆舌に尽くし難い。ただただ、自分がポルポト政権下のカンボジアに生まれなかったことを幸運に思った。説明文を読むと、
ポルポトはヒトラーより残虐だと書いてある。アウシュヴィッツに行ったがないので分からないが、比べるまでもなく、この残虐性に
異論をはさむ余地はない。かなりブルーになりながら、キリングフィールドを後にした。 ベトナム大使館にもどり、無事陸路入国に
変更終了。さきほどキリングフィールドでブルーになったばかりだが、次はツールスレーン刑務所博物館へ向かった。ここは元学校だったのだが、
ポルポト時代に刑務所として使われるようになったことろだ。もと教室であったであろう部屋に、鉄条網がはられ、壁には処刑された人々の
写真が貼られている。大勢の子供の顔も含まれている。処刑道具が再現され、展示されている。もと学校という建物に、よけいに恐怖心を
煽られた。何かを考えさせられるというか、何も考えれなくなるほど頭がパニクッた。やはり、妖怪やお化けよりも、人間が一番おそろしい。
同じ人間をこれだけ殺せるのだから。
気分転換に屋台でフルーツシェイク
のんで、帰って寝た。明日はもうベトナムだ。
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